人生では圧倒的に失敗することの方が多い
ごく普通の一日の始まりを観察してみましょう。
朝起きてベッドから出て、洗面所に歩いて行き、着替えて顔洗う。朝食の準備をし、それを食べて靴を履いて出かける。
ごくごく当たり前の事ですが、生まれたばかりの赤ちゃんはこれらのことを何一つすることができません。
立ち上がる、歩く、会話をするなど、私たちが無意識にやっていることも全て、何度も何度も失敗してようやくできるようになったのです。
私達はもう忘れてしまっていますが、歩くことも、服を着替えることも、最初は何度も失敗しました。ひとつのことができるようになるまでには、何度も何度も失敗することが必要です。最初からできる人はいません。例えば、1つのことが出来るようになるまでに、10回失敗するとしましょう。そうすると、10個のことをできるようになるまでには、10×10=100回の失敗があります。つまり、成功の10倍の失敗があるということです。
失敗したことは忘れるけど、記憶には刻まれる
「やりたい!」という気持ちが非常に大きい時には、上手くいかないかもしれないことがあってもあまり気になりません。特に子供のころにチャレンジすることの多くは、自分自身がやりたいと思う事なので、常に「これをやりたいんだ!」という目的意識が強いため、失敗を恐れて躊躇することもなく、また、失敗してもあまり気にしません。でも、その時は気にしていなくても、心の奥には失敗した経験が記憶されていきます。
人生においては、上手くいくことよりも、上手くいかないことが圧倒的に多いものです。できることがひとつ、またひとつと増えていく時には、その数を遙かに上回る失敗があり、それが無意識のうちに自分の記憶に刻まれていくというわけです。さらに、「失敗するかも知れない」という気持ちは「達成できるかも知れない」という気持ちに比べて、遙かに大きなパワーで心に影響を与えると言われています。一説には、マイナスの出来事が影響する力はプラスの出来事の5倍以上だそうです。そのため、何か新しいことにチャレンジしようと考えた時には、過去の失敗した経験が無意識のうちに行動にブレーキをかけてしまう可能性が高いのです。
赤ちゃんの行動から学ぶこと
生まれたばかりの赤ちゃんは何の先入観を持っていません。その証拠に、まだ小さいうちから大人がやることを見るたびに自分でやりたがり、できもしないのに何度も何度もやろうとします。
初めて歩こうとする赤ちゃんがうまくいかずに転んだとき、赤ちゃんは誰かのせいにするでしょうか?親のせい?カーペットせい?靴下のせい?いいえ。赤ちゃん転んだ時、「上手に歩くことができなかった」と思うだけで、そこに何のストーリーを加えることなく、再び歩こうとします。10回失敗しようと、100回失敗しようと、何度も何度もトライするでしょう。そして最後には歩けるようになるのです。
大人は自分を正当化するという智恵を持っています。「やろう!」と思ってトライしたものの、思ったように上手くいかないと「これは自分のせいではなく、○○が悪いからだ」と何かのせいにして自分を納得させて諦めてしまいます。「やりたい」「やろう」と思ってそれをイメージできたと言うことは、あなたにはそれを達成するだけの能力があるのです。
マイナスをイメージしてしまうのは、過去の人生において失敗した経験数の方が多いことが大きな理由のひとつです。未来に起こることは誰にも分かりません。それだったら、プラスの未来をイメージして行動しましょう!その方がワクワクして楽しむことができて、さらにそれを達成できる確率も高まります。