「人生は選択の連続である」とは、かのウィリアム・シェイクスピアの名言です。
誰もが毎日、大小様々な数え切れないほどの選択を行っています。それら選択をする瞬間、過去に見たこと、聞いたこと、体験したことが全て記憶されている潜在意識のデータベースにアクセスをして、その情報を元にして行っているのです。
セルフイメージこそが本当の自分
セルフイメージとは「自分らしさ」のことです。あなたの周りにはたくさんの人がいると思いますが、それぞれ「この人ってこんな人」というイメージがあると思います。同じように、自分の事も「自分はこんな人」というイメージがあるでしょう。でも、セルフイメージはそういう意味での「自分らしさ」とはちょっと違います。
自分が意識している自分ではなく、潜在意識のデータベースによって無意識に、自動的に作られた自分らしさ、それがセルフイメージです。
個人競技のスポーツで例えるとわかりやすいのですが、例えばゴルフであなたのアベレージが90だとしましょう。前半から絶好調で「このまま行けばベストスコアだ!」と思っていたら、後半調子を崩していつもと同じになってしまったり、または前半はボロボロのスコアだったのに、後半見事な追い上げで90まで戻したり・・・。そんな経験はありませんか?
これがセルフイメージの働きです。あなたはもちろん、より良い結果を出したいと願っているはずです。ところがあなたのセルフイメージが「スコア90の自分が自分らしい」と思っていると、そこから大きく外れそうになった時に自動的に自分らしいスコアに戻そうとするのです。これは悪い方向に行こうとした時だけではなく、良い方向に進もうとした時も働きます。
つまり全ての事には自分らしい場所があり、そこから外れそうになると無意識に元に戻ろうとするのです。この自分が居心地が良い場所のことを「コンフォートゾーン」と言います。
人は居心地の良い場所にいようとする
ゴルフの例であなたが「良いスコアを出したい」と思っているのは意識の分野です。これに対して、セルフイメージは潜在意識の分野なので、圧倒的にパワーが違います。つまり、あなたが何かを達成したいと思ったら、まずはあなたのセルフイメージをそれにふさわしいものに書き換える必要があるのです。
例えばあなたがビジネスをやっていて、年商5,000万円だとしましょう。それを1億円にしたいと考えます。この時、意識では「売上を倍にしたい」と思って行動するでしょう。でも、この時にセルフイメージが「年商5,000万円の状態が自分らしい」と思っていたら、売上をアップすることは困難です。
今の場所を心地よく感じている限り、潜在意識はそこから抜け出そうとは思ってくれません。それでは、コンフォートゾーンを自分が望む次のステップに引き上げるにはどうしたらよいのでしょうか?
そのために有効な方法のひとつが「水準の原則」を使うこと。昔のことわざで言えば「朱に染まれば赤くなる」といったところでしょう。つまり、自分がなりたい状態にいる人の中に自分の身を置くことです。
例えばあなたがサッカーをやっていて、地域で一番強いチームに属しています。そして、あなたはその中で一番上手なプレイヤーだとしましょう。あなたはきっと居心地が良いはずです。でも、より上達するためにベストな環境とは言えません。もっと上達したかったら、自分よりも上手いプレイヤーがたくさんいるチームに入ることです。
今までは「自分が一番上手」だったのに、今度は「自分が一番下手」な状況になったとすると、これは居心地が良いはずはありません。そして自分よりもレベルの高い人の中に身を置くと、自分のレベルが徐々に周りと同じところに引き上げられていきます。これが水準の法則です。
セルフイメージを書き換えよう
セルフイメージが生まれてからの記憶がベースになって作られているからといって「どうにもならない」と諦める必要はありません。これまでは無意識に作られてきたデータベースを、今度は意識によって書き換えることができるからです。長い時間をかけて作られたものなので短期間では難しいですが、必ず書き換えることができます。
そのために有効な手段がアファメーションです。
行動とセルフイメージは常に一致します。自分が「成功したい」と思っていても、セルフイメージが「成功する自分は自分らしくない」と思っていては結果はでません。逆に、アファメーションで自分自身のセルフイメージを書き換えることができると、その自分にとってふさわしい行動をとるようになり、達成に大きく近づきます。
全ての結果は行動量だけではなく、「意識×行動量」で決まります。あなたの意識を適切な状態にした上で行動することが幸せな人生への近道です。