史上最大の哺乳類と言えばゾウです。多分、陸上の動物の中で最も力があるでしょう。アジアの国々ではそんなゾウを調教して荷物の運搬などに使用しているところがあります。
では、一体どうやって調教するのでしょうか。
ゾウがまだ小さいうちに足に鎖をつけて、それを丈夫な木に繋ぎます。最初のうちは鎖を外して逃げようとしますが、そのうち諦めてしまう。すると、大きくなって力がついても、小さな木に繋いでも「鎖がついているから」と、逃げようとしなくなるそうです。
つまり、小さいうちに「鎖からは逃げられない」とインプットされてしまうことで、大きくなって逃げようと思えば簡単に逃げられる状況になってもトライすることすらしなくなってしまうのです。
これはエレファントシンドロームといわれています。
カマスの実験
同じような話で、「カマスの実験」というものがあります。
正解は、「新入りのカマスを水槽に入れる」です。初めて水槽に入れられたカマスは小魚を目指してまっしぐら。パクッと食べてしまいます。
それを見ていた古参のカマスは、「あれ?仕切りがあって食べられないハズじゃなかったの?」と、恐る恐る行動し、その結果見事に小魚を食べることができます。一度食べてしまえばこっちのもの。なにせ、ガラスの壁はとっくの昔になかったのですから・・・。それからは本来のカマスに戻り、水槽の小魚を襲うようになるのです。
人は「見えない壁」を心の中に作り出している
多くの人はこのゾウやカマスと同じように、本当は存在しない壁を作り出し、それによって自分で行動を制限しています。
人は小さい頃から様々なことにチャレンジし、たくさんの失敗を経験します。赤ちゃんが歩こうとしたり、しゃべり始めたりするときなどは、そのことが自分にできるかどうかと言う疑問は持たずに「やりたい」と言う思いだけで行動します。
もちろん何度も何度も失敗しますが、やりたいという想いが強いことに加えて、「どうせやってもムダだ」という既成概念もないために、最終的にそれができるまでやり続けるのです。
ところが、大人になってからのチャレンジはそうはいきません。まず、目標設定をする時に「やりたいかどうか」ではなく「できるかどうか」を考えるようになってしまいます。小さい頃はそれができるかどうかと言う考えを持たずに行動するのですが、次第に「達成できるかどうか」を先に考えてしまうようになるのです。
そして「やりたい」という思よりも「できるだろうか?」という考えが優先され、同時に「できないかもしれない」という失敗に対する恐れも生まれます。
先ほどのゾウの話と同じで、自分がやろうと思ってできなかったと言う経験が積み重なると、「どうせ自分にはできない」「自分には無理かもしれない」と言う思いが生じて、それが自分の潜在意識のうちに書き込まれてセルフイメージを作り上げていくのです。
その結果、いつの間にか自分に自分自身で限界を設定してしまうようになります。
ゾウやカマスのように、本当はそれを達成する力を持っているのに、自分で自分に枠を作り、限界を設定してしまっているのは非常にもったいないことです。ぜひ、持てる力を解放してあげましょう。あなたの頭で想像できることは、必ず達成できます。
fukuzo